最近よく聞く格安SIM(MVNO)。
料金が安い、というのは聞くけれど、キャリアと何が違うのかイマイチわからない。
そんな人も多いのではありませんか?
今日はそんな人のために、格安SIMの特徴やメリット・デメリット、そして格安SIMに向いている人・いない人、おすすめの格安SIMを解説していきます。
Contents
そもそも格安SIMってなに?
そもそも格安SIMってなんでしょうか。
それは、ドコモやau、ソフトバンクといった大手キャリアの回線を借りて安い価格でサービスを提供しているサービスのことを格安SIMまたはMVNO(Mobile Virtual Network Operator)といいます。
通話やメールなどが使えるのはキャリアと同じです。
また、価格が安いのは、自社で回線を持たずに大手キャリアから借りているためです。
なので、安いから設備が悪かったり、品質が悪かったりということはありません。
格安SIMと格安スマホは違うの?
一緒の意味で使っている人もいますが、別のものです。
格安SIMとは、大手キャリアの回線を借りて安い価格でサービスを提供する会社のことをいいますが、格安スマホは文字通り価格の安いスマホ、または格安SIMとセットで購入するスマホのことを格安スマホといいます。
たとえば、楽天モバイルで言えば、楽天モバイルが格安SIM(またはMVNO)となります。
そして楽天モバイルでセット購入、または価格の安いSIMフリースマホが格安スマホとなります。
つまり、SIMカードをさすか、端末のことをさすがの違いとなります。
格安SIMの11のデメリット
まずは、格安SIMのデメリットからみていきましょう。
キャリアメールが使えない
ドコモなら「~@docomo.ne.jp」、auなら「~@ezweb.ne.jp」、ソフトバンクなら「~@softbank.ne.jp」と言ったメールアドレスがありますよね。
格安SIMに移ると、そういったキャリアの提供しているキャリアメールが利用できなくなります。
ドコモ系格安SIM、au系格安SIM、ソフトバンク系格安SIMとありますが、それらは全て回線の種類であって、それぞれのキャリアのサービスを使える訳ではありません。
キャリアメールの代替えとして、Gmailなどのフリーメールを使うことができますが、サービスによってはキャリアメールでないと使えない場合があるので注意が必要です。
また、何かのサービスにキャリアメールを使用している場合は、格安SIMに移る時にはメールアドレスの変更をしましょう。
→ Gmail
キャリア決済が使えない
よく、「ドコモケータイ払い」など、ゲームの課金などを毎月のスマホ代とまとめて支払う決済がありますが、格安SIMではそういったキャリア決済は使えません。
なので、事前に各種サービスのプリペイドカードなどを購入するかクレジットカードを使用しましょう。
もし、クレジットカードがない場合で、各サービスごとのプリペイドカードを購入するのが面倒な場合は、デビットカードを一枚作っておくとよいでしょう。
→ キャッシュパスポート/マスター
クレジットカード払いのみのところが多い
毎月の利用料金の支払い方法ですが、キャリアではクレジットカード払い、口座振替、請求書払い等がありますが、格安SIMの場合、"クレジットカード払いのみ" というところも少なくありません。
中には、クレジットカードでなくてもデビットカード払いに対応しているところや口座振替可能な格安SIMもあるので、事前に確認しましょう。
また、これを機会にクレジットカードを作るのもいいですね。申込みが簡単で審査に通りやすいカードもあるので、学生でなければカードを作るのはそれほど難しくありません。
→ 楽天カード
LINEで年齢認証・ID検索ができない
日常でよく使われるアプリにLINEがありますよね。連絡手段としてメール変わりに使っている人も多いのではないでしょうか。
格安SIMでもLINEのアカウントを引き継いで使うことはできます。しかし、格安SIMでは年齢認証ができないため、ID検索をすることができません。
その場合、別の方法で友達追加をすることになりますが、手間がかかります。
しかし、唯一LINEモバイルだけはLINEの年齢認証・ID検索をすることができるのでキャリアと同じように使用できます。
また、Y!mobileもID検索が可能です。
→ LINEモバイル
→ Y!mobile
一部機種でテザリングができない
キャリアでは普通にできるテザリングですが、ドコモ系回線では一部Android機種が、au系回線ではiPhoneがテザリングができません。
テザリングをしない人には関係ありませんが、テザリングをする人は使用したい機種が使いたい格安SIMでテザリング可能か必ず確認しましょう。
テザリング不可の場合は、Wi-Fiルーターに格安SIMを使うようにし、スマホはWi-Fiで使うという手もあります。
端末の初期設定が必要
キャリアでスマホを購入すると、開通の確認までしてくれますよね。
でも、格安SIMの場合は、SIMカードだけ送られてくるので、APN設定などは自分でする必要があります。
SIMカードと一緒にAPNの設定方法の書かれた紙が同梱されていますが、初めての場合は少し戸惑うかもしれません。
ただし、格安スマホの中には、あらかじめ有名どころの格安SIMのAPNが簡単に設定できるようになっている機種もあります。
APNの設定は、キャリアで購入したAndroidが一番大変かもしれません。
iPhoneはプロファイルをインストールするだけで済みます。
それでも不安な人は実店舗のある格安SIMを利用するようにしましょう。
端末を選ぶ際に注意が必要
キャリアであれば、キャリアで販売されているスマホを購入するしか方法がないので、その端末がその回線で使えるかなど考える必要はありません。
しかし、格安SIMの場合、格安SIMサービスで販売されているスマホは使えるのがわかりますが、取り扱っていない機種の場合は、自分が使用している格安SIMサービスの回線でその機種が使えるか事前に調べる必要があります。
キャリアのスマホを使用する場合は、ドコモ回線の場合はドコモ機種、au回線の場合はau機種、ソフトバンクの場合はY!モバイル以外はSIMロック解除をすることで使用できます。
格安スマホの場合は、本来対応周波数帯を調べる必要がありますが、ほとんどのスマホは問題なく、どのキャリア回線でも使用できます。
対応機種に関しては、格安SIMサービスのページに "対応機種一覧" が掲載されているので、そこで確認しましょう。ただし、中にはそこに記載されていない場合もあるので、そういう場合は自分で周波数帯を調べる必要があります。
店頭サポートが受けにくい
キャリアであれば、どんなところにも店舗がありますが、格安SIMサービスで実店舗を構えているところは少なく、また実店舗を構えていてもその店舗数はキャリアには遠く及びません。
例えば、スマホの調子が悪い・壊れてしまったなどした時にはキャリアの場合はお店に行けば解決できますが、格安SIMサービスの場合はお店が近くにない場合はネットか電話のみとなります。
ネットや電話でのサポートでは不安という方は、楽天モバイルやイオンモバイルと言った、店舗が多いところを選ぶか、ビックカメラなど家電量販店で広く展開しているところを選ぶと良いと思います。
それでもスマホ本体を格安SIMサービス以外で購入した場合は、自分で購入店に連絡をする必要があります。
ただ、最近ではmineoなど、一部格安SIMサービスではオプションで端末保証をしているところもあるので、故障などが心配な場合は端末保証のある格安SIMサービスを利用することをおすすめします。
時間帯によっては速度が遅くなる
こちらでも説明しましたが、格安SIMサービスではドコモやauの回線を借りています。そのため、利用者が増える通勤時間帯やお昼、夕方などは通信速度が遅くなることがあります。
速度に関してはサービスや利用場所によって異なります。
もちろん、格安SIMサービスの方でも色々対策をしていますが、それでもお昼時などはネットが重くなることがあるので、キャリアのようにいつも快適という訳にはいかないことを認識しておく必要があります。
大抵は、速度が落ちてもメールやLINEくらいなら問題なくてもネット閲覧は少し厳しくなったり、動画は無理だったりすることがあります。
中には、LinksMateのようにリアルタイムの速度を公開しているところもありますが、公開しているところは少ないので、可能なら乗り換える前にお試しで1ヶ月使用してみることをおすすめします。
関連記事 格安SIMはなぜ安いの?ドコモなどのキャリアとの違い
通話料が高くなる場合がある
キャリアでは、カケホーダイなど通話料定額のプランがあります。また、家族間通話は無料になるなどのサービスもありますが、格安SIMサービスの場合、家族間通話が無料になるところはありません。
その他通話に関しては、最近ではオプションで通話定額プランを用意しているところがほとんどです、。
なので通話が多い人は、こういった通話定額プランのあるサービスを選ぶと通話料を抑えることができます。
また、そういった通話定額プランでなくても、所定のアプリを使用すると通話料が安くなるアプリを用意しているところもあるので、そういったアプリを利用するのもおすすめです。
公衆無線LANが使えなくなる場合がある
キャリアでは、公衆無線LANサービスを行っていますが、格安SIMサービスではこういった公衆無線LANサービスを用意していないところがほとんどです。
もちろん、カフェなど、キャリアとは関係なくお店独自の無線LANサービスを用意しているところもあるので、公衆無線LANサービスを利用することが多い人は、自分が外で使用している無線LANサービスが格安SIMサービスでも利用可能か確認することが必要です。
格安SIMの5つのメリット
なんだかデメリットがいっぱいで、格安SIMサービスにメリットなんてあるの?と不安になるかもしれませんが、メリットもしっかりありますよ!
月額料金が安くなる
一番のメリットはこれにつきるのではないでしょうか。キャリアでは一人7,000円以上かかっている人が少なくありません。
しかし、格安SIMサービスではその半額以下で使用することができます。月5,000円安くなれば一人でも年間6万円の節約になりますし、複数台持ちしていたり、家族で利用している場合は年間でかなりの額が節約できます。
使い方によっては、月2,000円以内で納められることが多いので、「毎月の携帯・スマホ代が高くて...」とため息をついている人にはかなりおすすめできます。
プランがわかりやすく豊富
大手キャリアのプランってわかりにくくありませんか?正直いって複雑です。
そして、コロコロ変わるのでなかなか追いつけません。
ですが、格安SIMのプランはシンプルです。
通話付きプラン、データプランの2種類。後はデータ通信の容量の違い。それだけです。
それでいて、SNSカウントフリーなど様々な付加価値が付くのは格安SIMならではです。
長期縛りがない
大手キャリアだと2年〜3年の縛りがあり、やっと縛りが終わった!と思っても契約解除をするには、決まった時期があり、それを過ぎると自動で延長となりますよね。
これは、途中でキャリアを移ることができないし、スマホの買い替えも面倒です。
この心的ストレスが格安SIMにはありません。格安SIMは基本的に縛りがなく、通話のできるプランのみ縛りがある場合もありますが、1年程度とキャリアと比べると短くなっているので、それを超すといつでも契約を解除することができます。
また、スマホの買い替えも自由です
使えるスマホが多い
デメリットで端末を選ぶ時に注意が必要と書きましたが、キャリアよりも使える端末は格段に増えます。そして、安い機種もたくさんあります。
キャリアだと、たまに安い機種もありますが、10万円近くするスマホがほとんどですよね。
ハイスペックスマホが欲しい人はそれでもいいですが、「ちょっとメールしたり、SNS使う位なんだけど」というライトユーザーにはそれほどのハイスペックモデルは必要ありませんよね。
だけど、キャリアだとそんなスマホばかり...。でも、格安SIMを利用する場合は、周波数帯さえきちんと確認しておけば、キャリアのようなハイスペックモデルからライト使いにぴったりな1万円程度で購入できるスマホも数多くあり、自分の使用にあったスマホを選ぶことができます。
機種を選ぶ自由さに関してはキャリアよりも格安SIMサービスの方が自由です。
安い端末が使える
先ほどの、「使えるスマホが多い」にも関連してきますが、キャリアと比べて安い端末もたくさんあるんですよね。
もちろん、ハイスペックモデルが欲しい場合はそれなりの価格がしますが、ライトユーザーの場合は、1万円台で購入できるスマホも多いので、スマホ本体代金も抑えることができます。
格安SIMが向いている人 / 向いていない人
それでは、どんな人が格安SIMに向いていて、どんな人が格安SIMに向いていないのでしょうか。
格安SIMが向いている人
- とにかく月額料金を安くしたい人
- ハイスペックなスマホが必要ない人
- あまり通話をしない人
- SNSの利用が多い人
格安SIMに向いていない人
- 初期設定をやりたくない人
- 長電話が多い人
- キャリア決済が多い人
初期設定に関しては、実店舗のある格安SIMを選べば初期設定をやって貰えます。
おすすめの格安SIM
速度が速い
実店舗が多い
トリプルキャリア
安心系
さいごに
格安SIMのメリットとデメリットをご紹介しました。
一見するとデメリットが多いようにも見えますが、ここであげた全てのデメリットが該当する人はそれほど多くないと思います。
もちろん、速度だったり、APNの設定だったり避けられない部分はありますが、それでもそのいくつかのデメリットをクリアできれば月額料金を大幅に節約することができます。
それぞれのデメリットは、必ず何らかの回避方法があるので、意外とクリアすることも可能ではないかと思います。
"格安SIMサービス" と一口に言っても、サービスは各社それぞれ違うので、自分にあった格安SIMサービス(MVNO)を選びましょう。
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