格安SIMの料金を見ると、びっくりするほど安いですよね。
ドコモやau、ソフトバンクと言ったキャリアの料金と比べるとあまりにも違うため、逆に "安すぎて不安" になる方もいると思います。
「何か裏があって、結局高いお金取られるんじゃないの?」と思う方もいるかと思います。
今回は、なぜ格安SIMは安いのか。ドコモやau、ソフトバンクと言ったキャリアとはどう違うのかお話ししたいと思います。
Contents
格安SIMとキャリアの料金比較
格安SIMとキャリアの違いを説明する前に、格安SIMとキャリアの料金を比較してみましょう。
ここでは、格安SIMで一番利用者の多い楽天モバイルとドコモの料金を比較してみます。
ドコモ
データ通信1GB | データ通信3GB | データ通信5GB | データ通信20GB |
2,900円 | 4,000円 | 5,000円 | 7,000円 |
1700円(カケホーダイライト/5分以内通話無料) | |||
4,600円 | 5,700円 | 6,700円 | 8,700円 |
楽天モバイル(通話付き)
プランS(2GB) | プランM(6GB) | プランL(14GB) | プランLL(24GB) |
10分以内カケホーダイ込み(2018年7月1日からサービス開始) | |||
2,980円 | 3,980円 | 4,480円 | 5,480円 |
楽天モバイル(通話なし)
SMS付き | SMSなし | |
3.1GB | 1,020円 | 900円 |
5GB | 1,570円 | 1,450円 |
10GB | 2,380円 | 2,260円 |
20GB | 4,170円 | 4,050円 |
30GB | 5,520円 | 5,450円 |
ドコモは全て通話可能なSIMで、かつSMSもついていますので、楽天モバイルでは同じく通話機能付きでSMS付きの価格を比較対象としました。
また、現在、キャリアは全て通話料無料(基本料金)があるので、楽天モバイルでも7月1日から10分以内の通話料金無料というプランが出るため、そちらを比較対象としました。
ドコモでは、データ通信1GBだと4,600円ですが、楽天モバイルの一番小さいプランSは2GBで通話込みで2,980円円です。これだと1,620円の差ですが、ドコモの20GBと楽天モバイルのプランLLを比較してみると、ドコモが8,700円なのに対し、楽天モバイルは5,480円となり、3,220円と差が開いてきます。
楽天モバイルの方がデータ通信量が多く、しかも通話無料時間も10分とドコモの5分と比較すると倍の時間です。もし、ドコモで5分以上通話無料とするなら、カケホーダイになるのでカケホーダイは月2,700円なので上記の価格より1,000円高くなります。
また、楽天モバイルは通話機能のないデータ通信のみのコースもあり、さらにSMS付きとSMSなしとがあります。
SMSなしのデータ通信のみの価格の場合、さらに料金は安くなります。
キャリアは、「データを使った分だけ」という料金プランが登場したため、以前に比べるとデータ通信をあまり使わない人は安く使えるようになりました。
それでも、格安SIMと比べるとやはり高いですよね。
ドコモの1GBと楽天モバイルの2GBという最低のデータ通信の場合、価格差は月1,620円ですが1年間使うと19,440円となります。
また、データ通信の一番多いドコモの20GBと楽天モバイルの24GBと比較すると、その価格差は月3,220円のため年間だと38,640円と価格差はさらに開きます。
データ通信24GBついて、10分以内なら通話無料なのに月5,480円で使用できるというのは、本当に安いですよね。
格安SIMとキャリアの違い
キャリアの代表であるドコモと格安SIMで一番利用者の多い楽天モバイルで比較しましたが、キャリアの価格はそれほど大差はありませんし、格安SIMも最近は「○分以内通話無料」というプランやオプションがついてきていて、それほどの差がありません。
キャリアはどこであれ、どの格安SIMサービスより安くなるということはあり得ません。
ここで気になるのはキャリアと格安SIMサービスの料金がなぜこれだけ差が出るのか、ということですよね。
どう見ても、格安SIMはキャリアと比べて安いです。
その理由を一つ一つ説明します。
インフラ
キャリアと格安SIMサービスの一番の違いと言えるのが、このインフラです。
キャリアは、ドコモ、au、ソフトバンクそれぞれに自社の基地局や収容局となるインフラを持ち、それを維持しています。
それに対し、格安SIMサービスはそういったインフラを持ちません。
基地局は、通話やLTEを使用する上でなくてはならないものです。基地局がなければ通話もLTEも使用できないのですから。
では、格安SIMサービスはその基地局がないのにどうやって通話やLTEが使用できるのかというと、"キャリアのインフラを借りているから" です。
キャリアはインフラを整備し、それを維持するとともに、通信が設備を新しく作ったりといった費用がかかるのに対し、格安SIMサービスは自社で持たずにキャリアのインフラを借りているのでインフラの開発・維持費というのがかかりません。
イメージで言うと下記のようになります。
人件費
キャリアと格安SIMサービスでは、この人件費も大きく変わってきます。
キャリアだとどこにでも店舗がありますよね。スマホの購入、各種手続きはもちろん、操作等がわからない時にも駆け込むことができます。
それに対し、格安SIMサービスでは、店舗を持たないところが多く、店舗があると言っても大手キャリアのようにどこにでもある、ということはありません。
格安SIMサービスの店舗が全くない、という地域の方が多いのではないでしょうか。
こうして店舗を構えるということは、それにまつわる土地代はもちろんですが、人件費は大きいですよね。
カウンターには常に何人もの人がいるので、その人件費というのはとても大きいです。
広告費
キャリアはどこも、テレビのCM枠を買い大々的に宣伝していますよね。ドラマなどのスポンサーになることもあります。
対する格安SIMサービスは、mineoやUQモバイルなどテレビで宣伝しているところもありますが、テレビコマーシャルなどをやっていないところの方が多くなります。
また、テレビで宣伝しているところでも、キャリアよりは少なめです。
格安SIMサービスは、主にインターネットで広告を出しているので、かかる広告費がキャリアと大きく違います。
サービスのオプション化
キャリアでは、電話のかけ放題、SMS、データのバックアップなど様々なサービスが込みになっています。
しかし、格安SIMサービスでは電話のかけ放題やSMS、バックドアなどのデータ通信以外のサービスはオプションという形で提供されています。
キャリアでは、考えることなく使っているサービスですが、意外と使用していないサービスが多いという人も多いのではないでしょうか。
でも、格安SIMサービスではそういったサービスはオプションなので、自分に必要なものを選ぶことができます。
例えば、かけ放題というのはその一例ではないでしょうか。
中には、通話が多い人もいますが、若い人などは「通話は無料のアプリを使う」と言った人も多いですよね。
キャリアでは、全く通話を使うことがなくても、最低でもカケホーダイライトのようなプランに入らなければいけません。
キャリアの場合は、現在はスマートフォンが中心となってはいても、基本は "携帯電話事業" なので通話が中心となります。
ですが、格安SIMサービスはキャリアと違い、"データ通信" が中心となるため、通話をしない人には通話サービスのないデータ通信のみのコースがあり、電話をよくかける人は別途通話付きのサービスを選ぶことになります。
こうやって格安SIMサービスの場合は、"自分に必要なものを選んで使う" ことができます。なので、基本となるプランは安く抑えることができます。
さいごに
格安SIMは、キャリアと比べてあまりにも安いので不安だった方も多いと思いますが、決して格安SIMは裏がある訳ではなく、そもそもの立ち位置や提供しているサービスが違うんですね。
特にインフラや店舗というのは大きな差なのではないでしょうか。
インフラの開発・維持というのはとてもお金がかかりますし、テレビコマーシャルなどの宣伝もお金がかかります。
しかし、格安SIMの場合は自社でインフラを持たずに、キャリアから借りているので開発・維持と比べた場合費用は大きく削減できますし、店舗も少ない・持たないので人件費もあまりかかりません。
広告に関してもテレビでの宣伝とインターネットでの宣伝では費用は大きく違います。
そういった一つ一つの費用を削減しているから、格安SIMは安い価格でサービスを提供できているのであって、決して裏があって怪しいなどということはありません。
今回は、キャリアと格安SIMサービスの違いをみていきましたが、次回は格安SIMサービスのメリット・デメリットをご紹介したいと思います。
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