ドコモが、「来年度から携帯料金を2〜4割安くする」と発表して数日経ちます。
実施は、2019年第一四半期ということですので、来年4月以降となります。
これは、"端末代金と通信・通話料を分離する" という形態になります。
そして、この分離プランを徹底するよう、総務省も数日前に発表しました。
ドコモは、「携帯料金を2〜4割安くする」と言っていましたが本当に安くなるのでしょうか?
分離プランについて考察してみましたが、今の日本の状況では「高くなる」と結論が出ました。
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ドコモはこう発表した
ドコモは「全体として従来の料金より2〜4割安い料金プランにする」とし、「1年あたりのユーザー還元額の総額を4000億円規模になる」と試算したと言います。
まだ、具体的な料金や詳しいことは発表されていませんが、要は端末代金と通信・通話料を切り離した分離プランとなるようです。
ドコモの説明だけ聞いていると「月々のスマホ料金が安くなる!」と思ってしまいますが、本当にスマホ料金は安くなるのでしょうか?
そこで、分離プランで本当に安くなるのか考えてみました。
その前に分離プランって?
その前に、そもそも "分離プラン" って何でしょうか。
言葉だけを聞くと、今までとは全く違う形態?と思ってしまいますが違います。
分離プランは、既に行われています。
ドコモでは、"docomo with" が、auは "ピタットプラン/フラットプラン" 、ソフトバンクは "ウルトラギガモンスター/ミニモンスター" が分離プランにあたります。
docomo withは指定された機種の購入で料金を1,500円割引。
auでは、同じく指定された機種の購入で、1,980円割引。2年目からは2,138円割引となります。
ソフトバンクは、50G+SNSフリー+動画(指定サービス YouTubeあり)で最低 3480円。しかし、系列会社の光ネット、家族4人という条件が加るので、誰でもという訳ではありません。
まだ、一部ではありますが、分離プランは施行されているんです。
とはいえ、まだ現在は従来のプランがあるので、分離プランに移行している人はまだ少ないかもしれません。
ただ、総務省がキャリア三社に「分離プランを徹底せよ」と言っているので、今後は従来のプランというのが廃止される可能性があります。
参考 :携帯料金「分離プラン」徹底を要請へ 通信料値下げ促す
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分離プランで料金はどうなるか考察
では、従来プランと分離プランはどうなるのか、図にしてみました。
現在は、通信・通話料というのは安くない代わりに、端末購入時に月々割や月々サポートなどといった端末値引きがあります。
なので、以前のように一括ゼロ円などといった安さではありませんが、端末代金の一部をキャリアが負担してくれる、という形態になっています。
では、分離プランになるとどうなるのか。
ドコモの分離プランでは、通信・通話料を2〜4割安くするというので、確かにその部分は安くなります。
ですが、当たり前ですが、端末がなければ意味ないですよね。
そこで、端末代金が発生します。
この安くなると言われる通信・通話料と端末代金をあわせてみると...合計では高くなってしまいました。
そう、端末代金が丸々のしかかってくるからです。
なので、ドコモの言う「携帯料金を2〜4割安くする」というのは、あくまでも「通信・通話料のみが2〜4割安くなる」ということです。
日本の分離プランの問題点
この分離プランというのは、日本だけなのでしょうか。
海外ではどうなっているのでしょうか。
お隣の国、韓国は日本と同じ方式になっています。
ですが、欧米や香港などでは、どのような仕組みになっているのでしょうか。
全てではないですが、基本的に「端末は端末販売店で購入し、通信・通話はキャリアで契約」となります。
一見、これは高くなるように見えるかもしれません。
でも、考えてみて欲しいのですが、テレビをはじめとした家電。
メーカーが直販しているところは少なく、電気屋さんや家電量販店で購入していますよね。
BSやCS、動画見放題などを観たい人は、別途契約していますよね。
これが、スマホでの分離プランにあたります。
「安くしたいな」と思ったら安い販売店で購入し、自分にあったプランを提供しているキャリアで契約すればいいのです。
もちろん、キャリアでも端末を販売していますが、その他のお店で購入することができるのです。
では、日本の分離プランはどうでしょうか。
端末の販売はキャリアだけですよね。
中には、iPhoneのようにSIMフリーを販売しているのもあり、それらは基本的にどのキャリアでも使用できるようになっています。
ですが、そのSIMフリーのiPhoneを持ってキャリアに行き契約をするとどうなるのか。
「持ち込み契約」となるため、月々割などの割引は適用外となります。
つまり、ドコモを使うなら、ドコモのSIMの使える端末を用意する必要があり、それはドコモでしか購入できません。
そう、キャリアロックが邪魔しているんです。
日本では、ドコモはドコモのキャリアロック、auはauのロック、ソフトバンクはソフトバンクのロックがかかった端末なのです。
もちろん、SIMロック解除も各キャリアとも応じてはいますが、キャリアによっては条件が厳しかったりします。
なので、日本は言葉では分離プランと言っているけれど、その実態は端末販売もキャリアなので本当の意味での分離はされていません。
本当の意味で分離するのであれば、海外のように端末は全てSIMフリーにし、端末のみを量販店などで購入できるようにすべきです。
日本で分離プランと言えるのは、格安SIMしかあり得ません。
格安SIMは、各MVNOで端末も扱っているけれど、使用可能な端末であればどこで購入してもOKですよね。
MVNOでは通信・通話料のみ契約します。これが本当の 「分離プラン」です。
さいごに
今回のドコモの発表に、auは「追従の意思はない」としていますが、auは既に分離プランが導入されている状態なので意味のない発言です。
それに、総務省の発言もありますので、今後、中途半端な分離プランは増え、ユーザーは "決して料金が安くならない" というパターンになりえます。
2年縛りの例もありますしね。
なので、今後はどんどんMVNOが加速化していくかもしれません。