ドコモが新プランとして、ベーシックパック・ベーシックシェアパックを発表しましたね。
「使った分だけ」という、auの "ピタットプラン" と同じ位置づけになります。
2,900円からということですが、このベーシックパックで月々の利用料金は安くなるのでしょうか?
また、従来のデータパックとの違いは何でしょうか?
ベーシックパックとデータパックの違いを検証してみました。
Contents
ベーシックパックってどんなプラン?
まず、今回発表されたベーシックパックはどんなプランなのでしょうか。
一言で言うと、段階制となります。
従来のデータパックは、月○GBと決めて契約をし、その範囲内での使用となり、それ以上の容量を超える使用はできませんでした。
例えば、今月はデータ使用が多いな、となってもその契約範囲までしか使用できませんでした。
ですが、ベーシックパックは段階制なので、月○GBという契約ではありません。
「今月は○GB使用したので、○○円になります」といった感じです。
auのピタットプランと同じです。
イメージとしては下記のようになります。
「使った分だけだからムダがないね」と書かれていますね。
確かに従来のデータパックだと5GBの契約だけど、2GBしか使わなかったといった場合3GB余ってしまっていますよね。
新しいベーシックパックだと、段階制なのでこういったムダがなくなるというのですが、では本当にベーシックパックは安いのでしょうか。
従来のデータパックと比較してみたいと思います。
データパックとの比較
ベーシックパックとデータパックの料金を比較してみました。
ベーシックパック(新) | データパック(旧) | |
1GB | 2,900円 | - |
2GB | - | 3,500円 (データSパック) |
3GB | 4,000円 | - |
5GB | 5,000円 | 5,000円 (データMパック) |
20GB | 7,000円 | 6,000円 (ウルトラデータLパック) |
30GB | - | 8,000円 (ウルトラデータLLパック) |
従来のデータパックでは、最低が2GBでした。なので、ほとんどデータ通信を使用しない人でも2GBの契約が必要でした。それが3,500円ですね。
ですが、ベーシックパックでは1GBからなのでほとんどデータ通信を使用しない人は2,900円で済みます。
なのですが、ベーシックパックは1GBを超えてしまうと2GBという扱いがないため、3GBになってしまうのですが、3GBだと4,000円円と一気に跳ね上がります。
ただし、5GBだとデータパックと同じ5,000円となりデータパックと同じになるのですが、5GBを超えると今までと同じように10GBというのがないので、いきなり20GBの7,000円となります。
データパックも5GBの上はいきなり20GBだったのでそこは変わりがないのですが、料金は6,000円で収まっています。
そして、ベーシックパックの落とし穴は20GB以上の設定がないこと。
なので、ベーシックパックの契約で20GB以上使いたい!と思ってもできないのですね。
データパックとの違い
データパックとの違いは、段階制になったことや金額の違いもありますが、一番の違いは "パケットの繰り越し" です。
データパックでは、データSパックを除き、その月の余ったパケットは繰り越しができていました。
なので、5GBの契約の人が、先月は3GBしか使用しなかったけれど、今月は5GB以上使ってしまう...と言った場合でも前月までの未使用分のパケットが繰り越しで使えていました。
ですが、新しいベーシックパックは段階制という "使った分だけ" という支払い形式となるため、従来のようにパケットの繰り越しができません。
このパケットの繰り越しができない、というのは些細な違いのようでいて結構大きな違いとなります。
環境が急に変わらない限り、毎月使うパケットはある程度一定していますが、5GBの契約で5GBぴったり使っている人はいないと思います。
2GBの上は5GBなので、3GBしか使っていない人もいるでしょうし、4GBの人もいます。
そうすると、その人たちは余ったパケットを繰り越しで貯めていたんですよね。
なので、旅行や急な環境の変化がパケットを使うことが増えてしまった月も、今まで貯めていたパケットで賄うことができたんですね。
ですが、新しいベーシックパックではそれはできません。
つまり、「データパックは貯金ができたけど、ベーシックパックは貯金ができない」ということになります。
ここで、ちょっとしたシミュレーションです。現在5GBを契約していると仮定した場合のシミュレーションです。
ベーシックパック | データパック | |||
料金 | (繰り越し) | 料金 | (繰り越し) | |
1ヶ月目:4GB使用 | 4,000円 | - | 5,000円 | 1GB |
2ヶ月目:6GB使用 | 7,000円 | - | 5,000円 | -1GB |
3ヶ月目:2GB使用 | 5,000円 | - | 5,000円 | 3GB |
4ヶ月目:5GB使用 | 5,000円 | - | 5,000円 | 0GB |
5ヶ月目:3GB使用 | 5,000円 | - | 5,000円 | 2GB(計5GB) |
6ヶ月目:8GB使用 | 7,000円 | - | 5,000円 | -3GB |
合計使用量:28GB | 合計:33,000円 | - | 合計:30,000円 | 2GB余り |
「ベーシックパックは使った分だけの支払いだからお得」という "ウリ" のはずなのですが、半年間で計算すると逆にベーシックパックの方が高くなってしまいました。
しかも、これは半年しか計算していませんが、2年契約で換算するともっと差がでるのではないでしょうか。
今までのデータパックは一見無駄があるように見えますが、使わなかったパケットは繰り越しされているので、使いすぎてしまった月があっても、繰り越し範囲内であれば大丈夫です。
このように、一見無駄がないように見えるベーシックパックですが、長い目で見ていると "料金の無駄" になっているのがわかります。
ベーシックパックは安くできるのか?
新しいベーシックパックと従来のデータパックを比較してみて、「ベーシックパックは高くなる」という結果になりましたが、これはあくまでも "データ通信分のみ" ですよね。
基本料金となる部分が入っていません。
ベーシックパックとデータパックの違いは、段階制と固定制の違いだけでなく実はもう一つあるのです。
それが、"シンプルプランとの組合せが可能" です。
シンプルプランの加入条件として、"家族とのシェアパック、またはウルトラパックの契約" となっています。
つまり、データSパックやデータMパックではシンプルプランにすることはできませんでした。
データS・Mパックの契約の場合は、電話をほとんど使わないにも関わらず1,700円のカケホーダイライトプランを選ぶしかありませんでした。
でも、ベーシックパックの場合はシンプルプランと組み合わせることができるので少し変わってきますね。
シミュレーション
データ通信もそれほど多くなく、電話をほとんどかけないユーザー(データMパック契約)
シミュレーション1
ベーシックパック | データパック | |||
データ使用料 | シンプルプラン | データ使用料 | カケホーダイライトプラン | |
1ヶ月目:4GB使用 | 4,000円 | 980円 | 5,000円 | 1,700円 |
2ヶ月目:6GB使用 | 7,000円 | 980円 | 5,000円 | 1,700円 |
3ヶ月目:2GB使用 | 5,000円 | 980円 | 5,000円 | 1,700円 |
4ヶ月目:5GB使用 | 5,000円 | 980円 | 5,000円 | 1,700円 |
5ヶ月目:3GB使用 | 5,000円 | 980円 | 5,000円 | 1,700円 |
6ヶ月目:8GB使用 | 7,000円 | 980円 | 5,000円 | 1,700円 |
合計使用量:28GB | 合計:33,000円 | 合計:5,880円 | 合計:30,000円 | 合計:10,200円 |
総合計:38,880円 | 総合計:40,200円 |
シュミレーション2
データ通信も多く、電話も結構かけるユーザー(ウルトラデータLパック契約)
ベーシックパック | データパック | |||
データ使用料 | カケホーダイプラン | データ使用料 | カケホーダイライトプラン | |
1ヶ月目:10GB使用 | 7,000円 | 2,700円 | 6,000円 | 2,700円 |
2ヶ月目:15GB使用 | 7,000円 | 2,700円 | 6,000円 | 2,700円 |
3ヶ月目:8GB使用 | 7,000円 | 2,700円 | 6,000円 | 2,700円 |
4ヶ月目:20GB使用 | 7,000円 | 2,700円 | 6,000円 | 2,700円 |
5ヶ月目:16GB使用 | 7,000円 | 2,700円 | 6,000円 | 2,700円 |
6ヶ月目:14GB使用 | 7,000円 | 2,700円 | 6,000円 | 2,700円 |
合計使用量:28GB | 合計:42,000円 | 合計:16,200円 | 合計:36,000円 | 合計:16,200円 |
総合計:58,200円 | 総合計:52,200円 |
ベーシックパックは超ライトユーザー向け
ベーシックパックとデータパックの料金のシミュレーションを2タイプしてみて分かったことは、"超ライトユーザーのみ安くなる" ということです。
データ通信もそこそこ使用し、電話もかけるというユーザーの場合はベーシックパックは高くつきます。
まとめ
ベーシックパックとデータパックを比較して見てみましたが、結論としては
- ライトユーザーは安くなる
- 中間ユーザーは微妙
- ヘビーユーザーは高くなる
ということがわかりました。
なので、もし今、「一人でデータ通信も電話もあまり使ってないから、格安SIMに移った方がいいのかな?」という人で「だけどキャリアメール使いたいし」という人はベーシックパックはいいと思います。
ただ、それ以外のユーザーはあまりメリットがないというプランになります。