8月中旬から世界の一部地域にて発売されていたサムスンのGalaxy Note7。
しかし、発売開始直後に充電中に爆発した、と報告されてから、爆発報告は後を絶たず、9月2日、サムスンは世界的リコールすることを発表しました。
Galaxy Note7、一部バッテリーのバッテリーセル不具合で世界的リコール
(C)Android Police
Galaxy Note7発売されてから間もなくして、「充電中に爆発した」、とユーザー報告がありました。
そのときは、「純正ケーブルを使用するように」とサムスンは対応しましたが、そのユーザーは「正規の充電器を使用したが爆発した」と主張。
そして、その後も爆発報告は収まらず、発売から約2週間後の9月2日、サムスンは世界的リコールをすることを発表しました。
サムスンによると、9月1日の時点で爆発報告は35件に上ったということで、世界初の全台リコールすることになりました。
爆発したGalaxy Note7は全て左側が焼けただれるという状態に。
当初は、「ユーザーの使い方の問題」としていたサムスンも後を絶たない爆発報告に、調査した結果、バッテリーセルに不具合があったことを確認。
Galaxy Note7のバッテリー供給会社は数社あり、そのうちの一部バッテリーセルに不具合があった、ということでした。
リコール直後は「中国製バッテリーに不具合か」とも言われていましたが、不具合が見つかったバッテリーセルはサムスンSDIが製造したものと判明しました。
このサムスンSDIが製造したバッテリーは、韓国内でサムスンSDIが製造後、中国へ送り、韓国へ、という流れになっていたそうです。
なので、中国製バッテリーの不具合ではなく、皮肉にも自社グループ内製造のバッテリーセル不具合ということですね。
正直、スマホのバッテリー爆発は初めてではなく、サムスン以外のスマホが爆発したという報告は過去にもされています。
しかし、ここまで多くの爆発が報告され、全台リコールというのは史上初となります。
リコールの対応は販売店による
今回のリコールは出荷したGalaxy Note7全てが対象となります。
リコール対応は、キャリアなり販売店ごとに違います。交換となる場合もありますし、中にはユーザーの希望に応じて返金対応しているところもあるようです。
リコールされた現時点で、日本では正式に発売はされていません。
しかし、海外から輸入して購入された方も多いと思います。
そういった方は、まずは販売店に確認をして下さい。
ただ、海外輸出をしている販売店によっては対応がなされないケースもあるようなので、ご注意下さい。
当然、日本サムスンに持ち込んでも無意味です。
海外モデルを輸入した場合の問題は、こういう時にありますね。
もちろん、きちんと対応してくれるところもあるので、まずは販売店に連絡してどうなるのかを確認した方が良いですね。
本国・韓国では政府も調査を依頼しており、「48時間以内に報告しないと3000万ウォン(約2,800万円)の罰金」とまで言われての対応なので、今後もきちんとした対応をすると思います。
日本発売はどうなるのか?
リコールの現時点で、日本では発売されてはいませんでしたが、「ドコモとauから出るのでは?」と言われていました。
しかし、今回のリコールを発表する前に、サムスンは出荷を停止しており、その後のリコールです。
そうなった場合、まずリコール対象となるものからの対応となるので、今回不具合の出なかったバッテリーのものとの交換となると思われます。
そうすると、不具合の出たバッテリー、つまりサムスンSDI製のバッテリーは使えませんから、出荷できる台数は限られます。
もちろん、サムスンは急いで製造するでしょうが、日本をはじめとした、発売前の国での発売開始は遅れるものと思われます。
おそらく、サムスンとしては、iPhoneには間に合わないとしても、Xperia発売には間に合うように日本でも発売したかったと思います。
しかし、リコール対応後の供給となると、10月以降発売と言われているXperia XZに間に合うかどうかですね。
ただし、これでXperia XZより早く発売を開始したとしても、イメージダウンしてしまっては、日本をはじめとした未発売国での販売台数に陰りが見られることは免れません。
以前は、iPhoneやXperiaと発売時期がかぶっていたサムスンですが、ここ数年はiPhoneやXperiaよりも早く発売することでなんとかしのいでいましたが、今回は失敗してしまいましたね。
9月11日追記:世界的全台リコールを発表されたGalaxy Note7ですが、まだGalaxy Note7をリコールに出さずに使用しているユーザーがいるようで、国土交通省が9月9日、Galaxy Note7の機内での使用や充電をしないよう注意を促しました。
国土交通省が求めているのは、「機内では電源を切ること」、「機内では充電を行わないこと」、「受託手荷物として預け入れないこと」の3点です。
確かに、充電中に爆発しているので、機内で充電中に爆発したら、大事故になりますよね。
また、こういった注意喚起は日本だけでなく、アメリカでは米連邦航空局が同じような注意喚起を行うとともに、その他カンタス、ヴァージン・オーストラリア、ジェットスターも機内での使用・充電を禁止しています。
9月18日追記:当初、リコール対象外とされていた中国でも1858台のGalaxy Note7をリコールすることになりました。
中国で発売されているGalaxy Note7はバッテリー爆発のあったものとは別のサプライヤーのものということで、サムスンは中国はリコール対象国から外しましたが、ここに来て急に中国でもリコールとなりました。
9月19日追記:Galaxy Note7のリコール後の再発売日は、9月28日になるのではないかと言われています。
なので、日本発売は早くて10月となりそうですね。
9月26日追記:アメリカとカナダでのGalaxy Note7リコールの交換登録は70%まで行ったそうです。そこで、気になるのは再販ですが、ヨーロッパでは11月下旬頃から再販と言われています。当初の予想よりも遅くなりそうですね。
なので、日本で発売になるとしても年内に間に合えばいいのではないでしょうか。
日本で発売するなら、ドコモの2016年秋冬モデルになるので12月とかでもいいとは思うのですが、そうするとGalaxy S8が前倒しで発売されるのでは?と言われているので、Galaxy Note7発売からGalaxy S8発売の間があまり空かなくなってしまいます。
そこをサムスンがどうして来るかが気になるところです。
9月30日更新:Galaxy Note7のヨーロッパでの再販は11月下旬と当初アナウンスがありましたが、その後10月28日と訂正がありました。
また、リコール対象となったGalaxy Note7の交換ですが、韓国とアメリカでは、90%のユーザーが他機種との交換や返金ではなく、「安全なバッテリーのGalaxy Note7との交換を希望している」、とのことです。
これは、Galaxy Note7高スペック及び、Galaxy Note7への期待の高さが伺えます。
そして、世界的リコールとなり、イメージダウンとなってしまったGalaxy Note7に関して、サムスンでは「100万人以上の人が安全に使用している」と、Galaxy Note7の安全性をアピールしました。
10月6日更新:安全なバッテリーへと交換が進んでいるGalaxy Note7ですが、アメリカのサウスウエスト航空で離陸前に乗客のスマートフォンが燃え、その機種がGalaxy Note7であることがわかりましたが、この爆発したGalaxy Note7は交換品であり、安全と言われているバッテリーだったということがわかりました。
リコール交換前の機種は仕方ないとしても、安全と言われている交換品まで爆発してしまうのでは、Galaxyに対する信頼がさらに落ちてしまうことになりかねます。
10月7日更新:先日のアメリカのサウスウエスト航空での交換品Galaxy Note7が爆発した件を受けて、2度目のリコールになるのではないかと言われています。
少し前には韓国で再発売され、好調だったようですが、当初はリコール対象外だった中国でもリコールとなり、また2度目のリコールになった場合のサムスンへの信頼度や業績のはとても響くと思われます。
また、今月中には2016年冬モデルを発表すると言われているドコモですが、2度目のリコールともなればGalaxy Note7の販売は見送られる可能性もあります。
10月8日更新:先日のサウスウエスト航空での爆発を受けて、2度目のリコールの可能性も出てきたGalaxy Note7ですが、アメリカの大手キャリアAT&TがGalaxy Note7の販売を全面的に中止することを検討しているそうです。
AT&Tは世界シェアNo.1の大手キャリアなので、万が一AT&TがGalaxy Note7の販売を全体的中止とした場合、サムスンの損失はさらに大きなものとなります。
10月9日更新:今度は台湾で26歳の女性が犬の散歩中に、安全なはずのGalaxy Note7が爆発する他、アメリカでも交換したGalaxy Note7が13歳の少女の手の中で溶けるという事故が起きました。
アメリカの13歳の少女は手の中でGalaxy Note7が溶け出したために指に火傷を負ったということです。
これらの交換品のGalaxy Note7や安全であるはずのGalaxy Note7も相次いで爆発・溶け出すという事故が続いていることから、米サムスンは声明を発表しました。
その声明は下記のようになります。
CPSC(米国消費者製品安全委員会)と連携して原因究明のため、迅速に調査をし、出来るだけ早く調査結果を知らせます。安全性に問題有りと判断した場合、状況に応じてCPSCと共に必要な対策を行います
by Samsung Neesroom us
10月11日更新:安全なはずのGalaxy Note7まで爆発する事故が連日起きている中、アメリカでは、VerizonとT-MobileがGalaxy Note7をその他の機種に交換するようにしています。
また、サムスンは、10日、Galaxy Note7の生産を一時停止することを発表しました。そして、アメリカだけでなく、韓国内、中国当局とも連携を取っていくとのことです。
ただ、この生産停止はいつまで続くかは今のことろ未定です。
10月12日更新:一時Galaxy Note7の生産を中止する、としていたサムスンですが、12日、完全にGalaxy Note7の生産・販売を停止することを発表しました。
10月16日更新:完全に生産・販売を停止することとなったGalaxy Note7ですが、先日2度目のリコールとなりました。それに伴い、アメリカ、韓国、カナダ、オーストラリアで機内持ち込み禁止となりました。
source:中央日報、中部日報、Android Police、国土交通省、サムスン、GSM Arena、Neowin、Android Central、Samsung Newsroom、TechnoBuffalo、Neowin、SAM Mobile、KSTP、米サムスン、Sam Mobile、YONHAP News、韓国サムスン、Mashable