9月には発売となる、AppleのiPhone7。
最近は名称問題などで話題となっていますが、iPhone7は日本でのみFelica搭載を計画していることがわかりました。
iPhone7、日本でFelica搭載の計画
(C)Sony
Appleが推進しているのは、Apple Payで、現在、アメリカをはじめ、世界数カ国でApple Payが導入されているものの、日本ではまだ対応となっていません。
iPhoneユーザーがAndroidスマホの羨ましい点に、おサイフケータイ機能があります。
おサイフケータイは、日本ユーザーにとっては、ガラケーの頃から使ってきていた機能で、楽天Edyやnanaco、WAONなどの電子マネーとしてはもちろん、SuicaをはじめとしたIC乗車券にも使われています。
今、日本人で、これらを一切使っていない人というのは、若い人ではほとんどいないのではないでしょうか。
電子マネーは使わなくても、IC乗車券は通勤などに使いますよね。
Androidスマホでは、NFC搭載となっている機種が多いので、おサイフケータイ機能が使える機種がとても多いのですが、iPhoneではおサイフケータイ機能が使えないでいました。
しかし、今回、Appleが日本市場のiPhone7にFelica搭載の計画があることが、米メディア・Bloombergの報道により明らかになりました。
なぜ日本のiPhoneでApple PayでなくFelicaなのか?
ご存知の通り、Appleは電子決済サービスとして、Apple Payというシステムがあります。
これは、アメリカをはじめ、現在ではカナダやイギリス、シンガポールや中国など数カ国で導入されています。
しかし、まだ現状としてApple Payが使えないシーンも結構あるようです。
また、Apple独自の電子決済でクレジットカードと紐つける必要があるため、導入に時間がかかります。
Apple Payが登場したのが、iPhone6とiPhone6 Plusから。
つまり、もう2年が経っている訳ですが、それでもApple Payの普及率というのは低いものです。
対する、Felicaは歴史が古く、日本での"おサイフケータイ" の普及率は高いと言えます。
ガラケー時代から日本のユーザーはおサイフケータイを使用してきていますし、ガラケーやスマホでなくともカードタイプの電子マネーを使用しているユーザーを入れると、2015年8月で82.6%にのぼり、スマホやガラケーでのおサイフケータイ使用率も昔より落ちているものの、30.3%とまだまだ多いです。
そして、Felicaは日本だけで使用されている訳でなく、香港の電子マネーであるオクトパスカードもFelicaを使用しています。
香港に行かれたことのある方はわかると思いますが、オクトパスカードって本当に便利で、これ一枚で地下鉄やバスに乗れるのはもちろん、コンビニでも普通に使えるので本当に小銭いらずなんですよね。ある意味、日本のように色々な種類のICカードがない分、オクトパスカード一枚に集約されていて便利です。
そして、このFelicaはApple Payよりも早い、というのがあるそうです。
これは、日本のおサイフケータイはチャージ形式なので、タッチすればすぐに使えるのに対し、Apple Payは使いたいクレジットカードをiPhone上で選択して指紋認証を行う必要があるためだと思われます。
後、カード社会の欧米と比較すると日本はクレジットカードをそれほど使わない人も多いですし、若い世代だとまだクレジットカードを作ることができません。
そのため、Apple Payよりも幅広い年齢層が使うことが出来、クレジットカードをあまり好まない日本人にはチャージ形式のFelicaの方が好まれるかもしれません。
では、なぜ、AppleがわざわざApple Payを推進せずにFelicaかと考えた場合、Appleにとっての日本というのは、直近四半期の売り上げ高の8%、営業利益の11%を占める重要な地域でもあることが考えられます。
また、最近では、以前よりもiPhone利用率が落ちてきているので、Felica搭載とすることで、Androidスマホに流れる一定数のユーザーを食い止めることも期待できます。
それだけでなく、Felicaを採用している日本以外の香港やシンガポール、タイなどにも将来的に拡げていくことも可能です。
もしかしたら、一からApple Payを使用できるようにするよりも、現在普及しているFelicaに便乗した方がAppleとしても楽かもしれません。
もちろん、まだiPhone7のFelica搭載は計画の段階であり、決定ではありません。
ですので、2017年発売のiPhoneからとなる可能性もありますが、AppleがFelica搭載に向けて動いていることだけは確かなので、日本のユーザーとしては期待したいところですね。